1 面積 156万4,100平方キロメートル(日本の約4倍)
2 人口 323万8,479人(2018年,モンゴル国家統計局(以下「NSO」)
3 首都 ウランバートル(人口149万1,375人)(2018年,NSO)
4 民族 モンゴル人(全体の95%)及びカザフ人等
5 言語 モンゴル語(国家公用語),カザフ語
6 宗教 チベット仏教等(社会主義時代は衰退していたが民主化(1990年前半)以降 に復活。1992年2月の新憲法は信教の自由を保障。)
年月 略史
1911年 辛亥革命,中国(清朝)より分離,自治政府を樹立
1919年 自治を撤廃し中国軍閥の支配下に入る
1921年7月 活仏を元首とする君主制人民政府成立,独立を宣言(人民革命)
1924年11月 活仏の死去に伴い人民共和国を宣言
1961年 国連加盟
1972年2月 日本とモンゴル外交関係樹立
1990年3月 複数政党制を導入,社会主義を事実上放棄
1992年2月 モンゴル国憲法施行(国名を「モンゴル国」に変更)
政治体制・内政
- 政体 共和制(大統領制と議院内閣制の併用)
- 元首 ハルトマー・バトトルガ大統領(2017年7月10日就任)
- 議会 国家大会議(一院制,定員76,任期4年,直近の総選挙:2016年6月)(人民党64,民主党8,人民革命党1,無所属2,欠員1)
- 政府
(1)首相 オフナー・フレルスフ(2017年10月4日就任)
(2)外務大臣 ダムディン・ツォグトバータル(2017年10月20日就任)人民党政権
5. 内政(最近の動き)
2016年の総選挙に際しては,従来,各選挙が個別の法律の下で運用されていたものの(大統領選挙法,国家大会議選挙法,首都・県議会選挙法等),1つの法律に統合され,新選挙法が策定された。また,憲法裁判所が2012年の総選挙時に導入された比例代表制を違憲と判断したため,中選挙区・比例代表並立制から小選挙区制に変更される等,大幅な選挙制度改革が実施された。6月末の投開票の結果,野党であった人民党が76議席中65議席を獲得し圧倒的勝利をおさめ,第一党となった。首相には,エルデネバト議員が任命され,新内閣が発足した。
2017年6月26日に第7回モンゴル大統領選挙の投票・即日開票が行われたが,候補者のいずれも有効投票の過半数を獲得できず,7月7日に上位2名により行われた史上初の決選投票の結果,野党・民主党推薦のバトトルガ候補が勝利した。
2017年9月7日,モンゴル国家大会議はエルデネバト首相の解任を決定し,これに伴いエルデネバト内閣は総辞職した(新内閣の発足まで各閣僚は代行を務めることとなった。)2017年10月4日,モンゴル国家大会議はU.フレルスフ副首相代行(人民党)を新首相に任命した。同20日,フレルスフ内閣が発足した。
2017年11月20日~22日にかけて開催された人民党第28回党大会において,新党首選挙が行われ,フレルスフ首相が多数票を獲得して新党首に就任した。
外交・国防
- 外交 二国間外交
モンゴルの外交方針の基本は,隣国である中国とロシアとのバランスの取れた外交関係を展開しな がら,両隣国に過度に依存することなく「第三の隣国」との関係を発展させることである。中でも 日本との関係は特に重視されており,様々なレベルでの交流を通じて,二国間関係を強化している。
国際場裡における外交
(1)1991年9月に非同盟諸国会議に加盟。1998年7月,ARF(ASEAN地域フォーラム)参加。
2004年6月,ACD(アジア協力対話)参加。2006年9月,ASEM(アジア欧州会合)参加。2010年1月,FEALAC(アジア中南米協力フォーラム)参加。
(2)1992年9月,「モンゴルの非核地帯化」を宣言。1998年12月,「非核兵器国の地
位」が国連総会決議で承認。2012年9月には,国連安保理常任理事国5か国がモンゴルの「一国非核の地位」を支援する旨の共同宣言に署名。2012年11月OSCE(欧州安全保障協力機構)正式加盟。
2. 軍事力
(1)予算 117百万米ドル(2016年予算)
(2)兵役 徴兵制,男子満18歳~25歳のうちの1年間
(3)兵力 9,700人(予備役約13万7000人)
(出典:ミリタリー・バランス2017)
モンゴルの経済
1 主要産業 鉱業,牧畜業,流通業,軽工業
2 名目GDP 32兆1,660億トグログ(約12,167百万米ドル(2018年,NSO)
3 一人当たり名目GDP 4,009米ドル(2018年,世界銀行アトラス・メソッド,NSO)
4 経済成長率 7.2%(2018年,NSO)
5 インフレ率 6.9%(2018年,NSO)
6 失業率 7.8%(2018年,NSO)
7 貿易総額 約12,890百万米ドル(収支:+約1,130百万米ドル)(2018年,NSO)
(1)輸出 約7,010百万米ドル
(2)輸入 約5,880百万米ドル
8 主要貿易品目
(1)輸出 鉱物資源(石炭,銅精鉱,蛍石など),原油,牧畜産品(カシミア,皮革)
(2)輸入 石油燃料,自動車,機械設備類,日用雑貨,医薬品
9 外貨準備高 3,621.6百万米ドル(2019年2月時点,モンゴル中央銀行)
10 主要貿易相手国(上位5か国)
(1)輸出 中国,イギリス,ロシア,イタリア,シンガポール
(2)輸入 中国,ロシア,日本,韓国,アメリカ(2018年,NSO)
11 通貨 トグログ(MNT)
12 為替レート 1米ドル=2,643.69トグログ(2018年12月31日現在,モンゴル銀行)
13 2018年度国家予算
収支 約119億トグログ(約35万米ドル)の黒字(2018年,NSO)
歳入 約9兆2,349億トグログ(約3,493百万米ドル)
歳出 約9兆2,229億トグログ(約3,489百万米ドル)
14 経済概況
民主化以降,日本を始めとする各国や国際機関の指導,助言及び支援により市場経済化に向けた構造改革を推進し,1994年に初めてプラス成長に転じた。その後も順調に経済が発展してきたが,2008年,世界的な金融・経済危機の影響を受け,2009年にはマイナス成長となった(-1.3%)。その後,2010年に入り,鉱物資源分野の順調な発展に加え,鉱物資源の国際相場の回復が内需の拡大を後押ししたことにより,2010年の経済成長率は6.4%,2011年には17.3%とV字回復を果たした。2012年12.4%,2013年11.7%と高い経済成長を続けたが,資源ナショナリズムを背景とする制限的な対モンゴル投資政策や法律の制定により,対モンゴル外国投資が激減したほか,中国の景気減速や世界的な資源安の影響により主要産業の鉱業が不振となり,2015年の経済成長率は2.3%,2016年は1%まで落ち込んだ。こうした厳しい状況を踏まえ,モンゴル政府は2017年2月,国際通貨基金(IMF)との間で拡大信用供与措置(EFF)の受入れに合意した。その後,IMFのEFFに基づく財政政策,金融政策及び銀行の改革に取り組み,モンゴルのマクロ経済指標は順調に回復。不安定な景況サイクルを再び繰り返さないよう,財政規律を維持し,堅実な経済・財政運営に努めることが課題。